分かるように教えないと、伝わりませんね。

中学の特別支援学級に通うAくんには、最近個別学習指導で作文を教えています。 先日、Aくんが自分から、「昨日学校で書いた作文と同じテーマで書きたい」というので、わけを聞いてみたら 学校で先生に「厳しく指導された」作文に、もう一度挑戦したいのだと言います。 カレーの作り方の手順を説明する文を書いたらしいのですが、料理は彼の得意分野。 どこが悪いと指摘されたのか聞いたところ 「くどい」「甘い」 と先生に言われ、書き直しになったそうです。 なんかアメリカのケーキみたいですが、 だからどうしろと? 「金子先生、どうしたら、くどくない文になるの?」と、Aくんが聞いてきます。 そうだよね。もっと具体的に言ってくれないと分からないよね。 「くどい」と言われたのは、どんな文だったの? 「『ニンジンを切って、ジャガイモを切って、玉ねぎを切って・・・・・』って書いた」 あー、そういうことか。 自閉っ子のAくんは、体験や出来事を映像的に記憶していて、文章を書くときは頭の中でビデオを再生するように思い出しています。だから、話すときも書くときも、、したこと・起こったことを順に羅列してしまう傾向があるのです。(昔は遠足の作文を書かせたら、朝起きたところからスタートしていたっけ。これでもたいぶ要領よく書けるようになってきたんですけど) 脳裏で再生される映像をそのまま言語化する結果、「~して、~して、~して、・・・」とか「~したり、~したり、~したり・・・・」という文になってしまう。それを「くどい」と…

続きを読む

で、卒業文集の原稿清書の支援はどうなった?/ご賛同ありがとうございました。

3月7日に<30年変わらぬ卒業文集の書式が、注意集中や読み書きの苦手な子にどれほど困難か> という記事を書きました。中断していましたが、今日はその続きです。 前記事で、こういった課題の見えない「無配慮さ」についてお伝えしましたが、文句を言っても始まらない。明日出さなければならないという原稿を、とにかく1時間で書きあげるにために私が手伝ったことは、「ラクに作業を進められる条件をいかに整えるか」。 「ラクをする」というのは、悪のように、教育現場(特に日本)では言われがちですが、そもそも正しい鉛筆の持ち方や正しい姿勢というのは、それが、余分な力が余分なところに入らない「最もラくな姿勢」なのです。でも、ともすれば教育現場(特に日本)では、「姿勢を正しなさい」「シャキッとしなさい」「背中をピンとしなさい」ということばで表現するために、姿勢の維持が難しいお子さんは、かえって背中や肩、腕などに変な力が入って、余計に長時間課題に集中することを困難にしてしまいがちです。 早く、早く。早くやらないと、間に合わないよ・・・!と焦るAくんに、「まぁ、まぁ、まずは準備を整えようよ」。「まず、椅子をもう少し下げてごらん」はやる気持ちのせいか、心もち机に近寄りすぎ前のめりになっているAくんの椅子の位置を直します。(場合によっては、机・いすの高さの調整や、足が床に届かない子には踏み台を置いてあげるなども大切です) あわせて、写す元である下書き原稿と、写す先の清書用の用紙の位置も整えてあげます。こういったさりげな…

続きを読む

30年変わらぬ卒業文集の書式が、注意集中や読み書きの苦手な子にどれほど困難か。

先日、6年生のAくんが「先生、今日はこれをやる」とカバンから出したのは 卒業文集の原稿。下書きを清書用の紙に写すという作業が学校で終わらず、家でやってくることになっているらしい。 今日は「正負の数の減法」の予習をやるつもりで準備してたのにぃ。。。と、がっかりする私に「明日までに出さないと、ぼく卒業できないんだ」と訴えます。 あぁ、私が最後の砦なのね・・・、とAくんの切羽詰まった心境が伝わってきました。 想像してみてください。 A4の半分(=A5)のスペースに、約800字の原稿を収める、という卒業文集の書式。つまり、新聞の活字を一回り大きくしたぐらいのサイズの字で、マスに埋めていかなければならない。しかも清書用の紙は、あれ、なんていう用紙ですかね? 印刷に写らない薄水色の線で書かれた原稿用紙。あの水色の線、見づらいんですよね。悲しいかな、老眼が入ってきた私にもつらい。 大人の私でもうんざりするような作業なワケですが、これがADHDの診断がついていて、字を書くことも人一倍苦手なAくんにとって、どれほど大変なことか・・・・6年間付き合ってきた学校の先生たち、気付かなかったのかな。それとも、Aくんが「できない」と伝えられなかったから? (後者の可能性も高い) 何より驚きなのは、これと全く同じものを、私自身が小学校6年生の時にやった、ということ。 Aくんの出した用紙を見て、思わず「昭和かっ!」と突っ込んでしまいました。 あとで3つ年上の友人に「小学校の時…

続きを読む