2011年10月01日

素敵なお手紙~前向きアスペ君の後方支援者

「先生、アスペルガー症候群って、知ってます? ぼくね、それなんですよぉ」

「先生、ドクターMって、誰だか知ってます? あのね、僕の主治医なんですよぉ」

「アスペルガーってね、けっこう偉人とか有名な人とか、いるんですよ。知ってます?」

大きな目をくりくりさせながら、担当スタッフにちょっと得意げに話しているTくん。

側で聞いていて、ついクスクス笑いをこらえている私ですが

いや素晴らしい。Tくんのこのポジティブな姿勢は、どこからきているんだろうと、いつも感心しています。

そんな彼はとても物知りで頭の回転が速いのだけど、書くのがちょっと苦手。アンダンテでは、主に作文の勉強をしています。

最近、誕生日祝いに「ポメラ」(キーボード入力できる小型メモ帳)を買ってもらったそうです。

プレゼントに添えられていたTくんのお母様のメッセージが名文なんですよ、と担当スタッフが見せてくれました。

ちょっと感動しちゃったので、ご承諾をいただき、紹介させてもらうことにしました。

12歳の君へ

ポメラが我が家へやってきた

アスペの君に百億万点賭けるからガンバッテ勉強をすること。俺はアスペだからは言い訳にならないよ。

夢を叶える一つの道具として使い倒すこと。どうやったら有効利用できるかを真剣に考えること。

アイデアが浮かんだら何でも構わない、ここにメモする事。

ポメラにできることはノートの作成やアイデアの保管だけじゃない、

感じたこと、腹が立ったこと、頭の中にあることすべてを吐き出す道具となる。

そして、君のワーキングメモリの代わりをしてくれるはずだ。

君にどんな才能が隠れているのかは、ここに吐き出された文章が示してくれるだろう。

君の脳味噌の中の分析をするには君の脳味噌の中にあるものを知らなければならない。

自分自身が一番の謎だ! そういっていたね。

謎を解く鍵はここにある。

そう、ポメラの中に。

使えば使うほどに自分自身が見えてくるはずだ。

使い倒せ!

未来を手に入れろ!

君は神に選ばれし人材なのだから、その才能を無駄にしてはならない。

自分自身を分析し、進むべき道を探るのだ。

データ蓄積はポメラに任せて、君は考えるんだ。

絶対に歩くメモリになるな。

思考能力が君に与えられた最高の能力なのだから・・・

12歳の君へ お祝いの言葉を添えてポメラを贈る

恐れ入りました。

思春期頃のお子さんについての親御さん方からの相談内容で多いのは、「面倒見の良い中学(高校)は、どこですか?」とか「中学(高校)は、何もしてくれない」というようなことなのですが、そのたびに私は、「年齢が上がるにつれて大切になってくるのは、誰かに何か(支援)をしてもらうことを期待するよりも、本人の自己理解・自己対処力を育てていくためのバックアップですよ」とお話しています。

「自分はこういうことが苦手、人と同じようにできないことがある。でも、こういうことは好きだ、得意だ、がんばれる」という自分の特性を知ること。そして、困ったときやうまくいかないときに、どうすればいいか、どんな人やモノの助けを借りて乗り越えるかを自分自身で考えること。少しずつ、少しずつ、そういう力をつけていくための経験を積むことが、小学校高学年から中学、高校にかけて大切なんじゃないかと。

発達障害か否かにかかわらず、それができる人は、きっと個々のやり方で学び、自立できるようになると思うからです。

それを支える周囲の大人は、手を出さず口を出さず、つかず離れずで見守り、でも何かあったときは小言ではなくナビゲートができるような、よき理解者かつ後方支援者でありたいのですが、これがなかなか難しいものです。

T君のお母さんは、T君の見事なサポーターなんだなぁ。。。

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昨日の夕方、教室内に羽アリがたくさん飛び込んできました。たぶん結婚飛行(女王アリとオスアリが空中交尾する)なのでしょう。「今日はアリの結婚式なんだね」と言ったら、うちのスタッフOは、一匹一匹に「おめでとうございます」と挨拶していました。

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posted by はるえもん at 17:48| Comment(2) | TrackBack(0) | (旧)親御さんに対して | 更新情報をチェックする

2008年07月04日

「しつけの問題」って言われても・・・(2)

前回の続きです。今日はちょっと余談から。

子どもは一人ひとり違う、といえば

うちの年子の甥姪・・・・姪っ子には、一度注意したらわかるのに、なぜ甥っ子は、一度注意した直後に3度ぐらいやるのかしらん? ママはどちらにも同じように話し、同じように叱り、おんなじように育てているのに?

先日も、「ガラスの里」なるところに行ったのですが、入り口でママが二人に言い聞かせます。「いい? ここにあるものは、見るだけだよ。絶対さわらないこと!」

「はーい」と二人、よいお返事♪  が、なぜその次の瞬間から、ガラス製品に手を出しまくるのか、かわいい甥っ子よ・・・・。しまいには、「世界一大きいクリスタルボール 6億円」 なる巨大水晶玉に突進する甥っ子・・・・(汗) あんたには、立ち入り禁止のロープの存在って何の意味もなさないのね?

ちょっとおハイソなレストランでも、お子さまメニューに5分で飽き、もうじっとしていられない。「トイレ!」と立ち上がるので、しぶしぶ連れて行こうとすると「う~んこ、う~んこ♪」と店中に響き渡る声で歌いながら、腰をくねらせ駆けていく愛しい甥っ子・・・・こいつ~!(怒) クレヨンしんちゃんを地でいくような彼に、子どものプロのはずの私が知らず知らずのうち“みさえ”化してしまいます。何度彼の頭をげんこつでグリグリしたことか・・・・。

そんなこんなのエピソードに、「どーいうしつけしてるの?」と批判めいた口調で言った人がいましたが、愛する甥っ子は決して、親のしつけの失敗作ではないと私は思っています。

しいて言えば、そんな彼を連れている状況で2時間かかるコース料理なんぞ食べようという無謀な我々が大失敗だったわけで。(あのとき静かにお食事をされていた他のお客さま方、本当にごめんなさい)

叱られないで「いい子」にすることよりも、もっと魅力的な刺激が、今の甥っ子の眼には山ほど映るらしい。いま彼が何より楽しいのは、ふざけること、いたずらすること。がまんすること、がんばることは、性に合わないらしい。

でも彼は、これから長い年月の間に、少しずつ少しずついろんなことを学んでいくでしょう。今よりもう少し我慢できるようになっていくし、今よりもう少し時と場をわきまえられるようになるし、今よりもう少し根気良く物事に取り組めるようになっていく。だから、今レストランでお行儀よく食べられなくても、大人になるまでにはちゃんとわかるようになる・・・・でしょう、きっと。

それまでたぶん、パパもママも苦労して教えていかなきゃいけないでしょう。ジージやバーバも手を焼かされるでしょう。伯母はるえも頭グリグリしちゃうでしょう。

悪ガキぶり、いたずら三昧の今も、また楽し。そんな時間を、「しつけがなってない」なんて水を差さないで、一緒に共有してもらえたら嬉しい。

で、本題に戻しましょう。

つい最近お話しした先生が、ある子の「しつけの問題」に取り組んでいました。その子は、発達障害の疑いも拭いきれないものの、複雑な家庭の事情で、幼児期に親御さんに「しつけられる」機会が極端に少なかったようだとのことでした。前の担任は「やる気がない」「態度が悪い」という言葉で済ませてしまっていましたが、この先生は違いました。やるべき最低限のことには取り組むこと、人に迷惑をかけたり失礼なことをしたら謝ること・・・・その都度その都度、ひとつひとつ、その子に教えているところだそうで・・・・その子は確実に去年とは変わってきています。

「学校は、しつけをするところじゃない。そんなことは家でやってくれ」という声も、しばしば聞きます。日々忙殺されている先生方に、それだけ気持ちの余裕がないということかもしれません。でも、子どもは家庭だけで育つわけじゃありません。親も、教師も、地域の人たちも、関わる人みんなで見守り、育てていくほうが、きっとうまくいきます。

まして、発達障害の子どもたちは、その特性ゆえに、「言わなくてもわかるだろう」と思えることがわからなかったり、「一度言えばできるだろう」と思えることができなかったりします。「しつけの問題」と親御さんに押し付けて孤立させず、ぜひその苦労を軽減するために、共に手をつないでくださる先生が、もっと増えてほしいと願うばかりです。

NGワードシリーズ、もうひとつ続けるつもりでいます。


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posted by はるえもん at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | (旧)親御さんに対して | 更新情報をチェックする

2008年07月02日

「しつけの問題」って言われても・・・(1)

気になる言葉、第2弾です。

これは、学校に限らず、あらゆる場面で耳にするのですが、


「しつけの問題」


人は、いとも簡単にこの言葉を投げつける(あるいは陰で言う)ことを、甥姪の子守をする機会が増えて身をもって知る今日この頃です。これほど親御さんを心理的に追い詰める言葉もないだろうな、ということも。

同じようにしても、同じように言っても、子どもって一人ひとり違いますよね。

聞き分けのよい子もいれば、手を焼かされる子もいます。一度で理解する子もいれば、なかなかできない子もいます。


大人だって、一人ひとり違います。

子どもへの言い聞かせ方や叱り方が上手な人もいれば、そうでない人もいます。

「何をどこまでしつけるか」という基準も、人によって、家庭によって、もっと言えば属する文化や社会、時代によっても、皆それぞれ違います。

それに、何かが「できる・できない」で子どもを計ってしまいがちですが、たとえば「静かに座って待っている」ということ一つとっても、ある子にはなんでもないことでも、ある子にはとてもハードルが高いチャレンジだったりします。

そして、子どもたちが様々なことを学び身につけていくのは、親からだけではなく、周囲の様々な人たちや、子どもどうしのかかわり、いろんな環境に置かれていろんなものを見たり聞いたり・・・・・と、たくさんの経験の積み重ねで、その資源も様々だし、人それぞれ違います。

ですから、しつけに「これが正解」と呼べるものなどないと思うのですが、どうも世の中「甘すぎてもダメ」「厳しすぎてもダメ」「放任はダメ」「過干渉もダメ」・・・・と、いろんなところでいろんな人がいろんなことを言っていて、まるでどこかに完璧なしつけというものが存在するかのような錯覚を起こしてしまいそうです。

そして「しつけの問題でしょ」って言われるのは、往々にして子どもが誰かに迷惑をかけてしまったり、他の子ができていることができていなかったりするときだったりするので、言われた親御さんはドキリとしてしまいます。

ドキリ、で済めばよいのですが、度重なれば不安も増すでしょう。誰より困っているのは親御さんなのですから。

確かに、しつけはとても大切なことですが、「しつけの問題」と言ったところで問題は解決しないですよね。

続きをもう少し、次回に書こうと思います。

今年がもう半分終わったということに、ぎょっとしている今日この頃。低気圧×低血圧で、エンジンのかかりが恐ろしく悪い私に、どうか応援クリックをよろしくお願いします。

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posted by はるえもん at 21:40| Comment(10) | TrackBack(0) | (旧)親御さんに対して | 更新情報をチェックする