2007年06月27日

教える側が知識を持つことは、「予防医療」の考え方に通じる

前回(というか出版社から感謝されていいんじゃないかと思うほど度々)紹介している本「ひとりひとりこころを育てる」の著者メル・レヴィーン氏は、学齢期の学習活動に大きく関連する脳機能を主な8つ(注意、記憶、言語・・・など)に整理して説明しています。

私が共感するのは、躓いている子どもを救うのはカテゴライズよりもプロファイルである、というレヴィーン氏の考え方です。つまり、「この子はLD」「あの子はADHD」という“分類”で貼られたレッテルは、現場では役に立たない。むしろ、一人ひとりの躓きの原因となっている機能はどれか、逆にその子の強い機能は何かを見極め、その子に合った支援をしていくことが必要だ、というわけです。

そういうお医者様が、日本にもいたらなぁ、と思います。うちに相談に来るお子さん方、診断名が「はっきりとつけられない」と言われた子から、「アスペルガーでLDでADHDも入ってる」と札貼られまくりの子までいますが、学習支援をする立場から正直に申し上げれば、カテゴライズよりプロファイルの方が情報としては絶対にありがたいだろうと思う・・・。

とはいえ、そんな夢の日はまだまだ遠そうです。ならば、しかたありません。まずはできることから少しずつ。ここで試みたいのは、教える側が変わることで、子どものつまずきを軽減させること。次回以降で、前述の8つのそれぞれ脳機能について具体的な話を進めながら、みなさんとご一緒に考えていきたいと思います。

さっき「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で、夕張の財政破綻の影響で閉鎖された市立病院の建て直しに来たお医者様が「予防医療」に重点を置いていたのが印象的でした。

私がいま重点をおこうとしているのも、予防医療の考え方に通じると思います。

寝不足覚悟でこのブログを書くのも、赤字覚悟で自費で本にしたのも、先生方の研修はできるだけ断らずに引き受けるのも、お金ないのにアメリカに取材に行くのも・・・・。

こっちは医療ではなく教育ですが、現実問題として、地域資源に恵まれている東京でさえ、情緒障害児学級はパンクしてるし、うちのような民間で(お金かかるのに)引き受けていくにも限界があるのです。それよりも、通常の学級のなかで子どもの学びを支えていけたら・・・・「専門機関」の役割ももっと効率的になるし、学校の授業の質も上がるし、・・・理想的とかいう話ではなく、そうせざるを得ない状況になっているのではないでしょうか。

*面白くもない話が続いているのに謎の1位キープ怖かったです。クリックの応援、どうもありがとうございました。次回からはテンポよくシリーズものです。まずは「注意(Attention)」の話から。

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posted by はるえもん at 01:23| Comment(4) | TrackBack(1) | (旧)学習面の支援(総論) | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

学習支援のために「脳」のことをちょっとお勉強してみる。

発達障害は、脳機能の障害である。

このことを長い間、私はあまり意識することなく子どもたちと関わってきてしまったのですが、最近になって

これってめちゃめちゃ重要なことじゃん?!

と、強く意識するようになりました。

それは、何年もの間に出会ってきたいくつもの要素が私の中で積み重なり結びついて、今ごろになってピピーン!と来たのです。

ひとつは、前にここでもご紹介した本「ひとりひとりこころを育てる」(メル・レヴィーン著)

ひとりひとりこころを育てる ひとりひとりこころを育てる
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2003-07-11
を再読したこと。

それから、TEACCH関係の本を読んだり講演を聴いたりして、自閉症の特性をあらためてきちんと理解する機会があったこと。

そして、「高次脳機能障害」というものを知ったこと。

高次脳機能障害は、このところマスコミなどでも取り上げられることが増えているようなので、ご存知の方もいるかもしれません。事故や病気などで脳に損傷を受けたことが原因で起きる障害で、脳の一部の機能が上手く働かなくなり、人によって様々な症状が現れます。

たとえば、昨年映画になった『博士の愛した数式』の博士は交通事故が原因で「記憶」が困難になり、新しい情報が記憶されない・・・「僕の記憶は8時間しか持たない」というのがキーワードでした。私の親友はリハビリ病院でSTをしているのですが、彼女が担当していた一人に、プールの事故で一命を取り留めたものの脳に障害が残り「性格が変わってしまった」という子がいます。事故前はおとなしい子だったのが、初対面の人の前でもおちゃらけたり、まじめな場面でも常に冗談を言っていたり・・・という様子が何年か前のドキュメンタリー番組で映し出されていました。

他にも、相手の話の理解や読み書きに困難が現れたり(失語症)、気が散りやすい、ミスが多い(注意障害)、突然興奮したり怒り出したりする(行動と感情の障害)、ものごとの計画を立てられない、一つひとつ指示されないと行動できない(遂行機能障害)などなど、いろいろな分類があるのだそうです。

・・・と、読んでいて、あれあれ?と思いません? どこかで聞いたような話・・・・LD、ADHD、高機能自閉症などの発達障害の特徴とかぶってるところがいっぱい。

あ~、そうか、そうなんだなぁ~。

高次脳機能障害は、病気や怪我で脳がダメージを受けて、注意や記憶や言語や対人関係に困難が起きる。

発達障害は、生まれつきの何らかの原因で一部の脳機能の発達が未熟だったり、うまく働いていない部分があるってこと、ととらえればいいのですね。

(私の認識が間違っていたら、どなたか訂正してください)

外見からは分かりにくいため、理解されにくいという苦労も共通してますね。

ということは、発達障害の子どもたちの学習支援にかかわる人間として、そもそも「脳機能」とはなんぞや、それがうまく働いていない人(子ども)たちに、どんな支援(リハビリ)が考えられるか、そこのところをもっと知らないと・・・・と思ったわけです。

それで私は、前述のメル・レヴィーン氏の他の著書(英語!)の本の翻訳に無謀にも取り掛かってみたり(まだ途中)、こんな本 

脳の学習力―子育てと教育へのアドバイス 脳の学習力―子育てと教育へのアドバイス
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:2006-10

を読み始めたり(まだ途中)・・・の今日この頃なのです。

というわけで、次回からは「脳機能」のことをお勉強しながら、学習支援について考えて生きたいと思います。

コムズカシイ話に話にはなりませんので、ご心配なく。

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posted by はるえもん at 01:05| Comment(14) | TrackBack(1) | (旧)学習面の支援(総論) | 更新情報をチェックする

2007年06月17日

今日は、面白くもなんともない話です。

もしかすると、学習障害のことや知能検査のことを多少勉強された方なら、前々回前回の話をお読みになって、「認知処理過程」の話だな・・・とピンときたかもしれません。

WISC-ⅢやK-ABCという知能検査で出てくる「言語性と動作性」「継次処理と同時処理」あるいは「聴覚的な処理」「視覚的な処理」などなどの専門用語・・・・

要するに(かなり大雑把に言うと)、いろいろな課題の得意不得意を見て、

「ことばで理解したり考えたりする⇔絵や図などで理解したり考えたりする」

「複数の情報をひとつずつ順番に処理していく⇔複数の情報を一度にまとめて処理する」(部分から全体へ⇔全体から部分へ 道順型⇔地図型)

「耳から入ってくる情報に強い⇔目から入ってくる情報に強い」

などなどと、その人の傾向を把握しようというのが、こうしたテストの目的です。(実際は2分類だけでなく、もっと細かくも分析します)

とは言っても、道順型のBさんと地図型の私。それぞれが知能検査を受けたら、Bさんは言語性優位、私は動作性優位、あるいはBさんは継次処理型、私は動作処理型と、くっきりきれいに結果が出るかというと、そんな単純な話でもないと思います。とらわれすぎず、あくまでも「参考」であるという心積もりでいた方がいいのかもしれません。

ここで強調しておきたいことがあります。

特別支援教育の対象となっている子どもたちの中には、病院や相談機関で、あるいは情緒障害児学級などで、知能検査を受けている場合がよくありますよね。WISC-ⅢとかK-ABCといったテストは、個人に「レッテルを貼るためのもの」ではなく、どんな支援が有効かを考える手がかりにするもの」でなければ意味がありません。

でも実際には、検査の結果を教室での支援に役立てられているか、というと、これがなかなか難しい。。。

理由のひとつは、検査の結果が何を意味しているか、どのように役立てたらいいかという知識を持っていない先生がほとんどだということ。もうひとつは、全体の授業のなかで先生が個々の特性に配慮するのは限界がある、ということ。(他にも要因は色々あるでしょうが)

そこで、これからWISCやK-ABCについて詳しくお話を・・・・するつもりは、さらさらありません。

それは私なんぞに期待するより、しかるべき人によって書かれた、しかるべき本をお読みになって勉強されることをお勧めいたします。

こちらは、ちょっと違う道を通って、学習支援を考えていきます。

どんな道? それは次回に。

*話がどこへ向かおうとしているのか、読者のみなさん戸惑っていらっしゃることと思いますが、私の頭の中では道は外れていないはず(笑) みなさんの1クリック→順位が上がる→プレッシャーがかかる→更新が早くなる・・・・かもしれません。

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posted by はるえもん at 23:44| Comment(2) | TrackBack(0) | (旧)学習面の支援(総論) | 更新情報をチェックする