教える側が知識を持つことは、「予防医療」の考え方に通じる

前回(というか出版社から感謝されていいんじゃないかと思うほど度々)紹介している本「ひとりひとりこころを育てる」の著者メル・レヴィーン氏は、学齢期の学習活動に大きく関連する脳機能を主な8つ(注意、記憶、言語・・・など)に整理して説明しています。 私が共感するのは、躓いている子どもを救うのはカテゴライズよりもプロファイルである、というレヴィーン氏の考え方です。つまり、「この子はLD」「あの子はADHD」という“分類”で貼られたレッテルは、現場では役に立たない。むしろ、一人ひとりの躓きの原因となっている機能はどれか、逆にその子の強い機能は何かを見極め、その子に合った支援をしていくことが必要だ、というわけです。 そういうお医者様が、日本にもいたらなぁ、と思います。うちに相談に来るお子さん方、診断名が「はっきりとつけられない」と言われた子から、「アスペルガーでLDでADHDも入ってる」と札貼られまくりの子までいますが、学習支援をする立場から正直に申し上げれば、カテゴライズよりプロファイルの方が情報としては絶対にありがたいだろうと思う・・・。 とはいえ、そんな夢の日はまだまだ遠そうです。ならば、しかたありません。まずはできることから少しずつ。ここで試みたいのは、教える側が変わることで、子どものつまずきを軽減させること。次回以降で、前述の8つのそれぞれ脳機能について具体的な話を進めながら、みなさんとご一緒に考えていきたいと思います。 さっき「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で、夕張の財政破綻の影響で閉鎖さ…

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学習支援のために「脳」のことをちょっとお勉強してみる。

発達障害は、脳機能の障害である。 このことを長い間、私はあまり意識することなく子どもたちと関わってきてしまったのですが、最近になって これってめちゃめちゃ重要なことじゃん?! と、強く意識するようになりました。 それは、何年もの間に出会ってきたいくつもの要素が私の中で積み重なり結びついて、今ごろになってピピーン!と来たのです。 ひとつは、前にここでもご紹介した本「ひとりひとりこころを育てる」(メル・レヴィーン著) ひとりひとりこころを育てる価格:¥ 2,310(税込)発売日:2003-07-11を再読したこと。 それから、TEACCH関係の本を読んだり講演を聴いたりして、自閉症の特性をあらためてきちんと理解する機会があったこと。 そして、「高次脳機能障害」というものを知ったこと。 高次脳機能障害は、このところマスコミなどでも取り上げられることが増えているようなので、ご存知の方もいるかもしれません。事故や病気などで脳に損傷を受けたことが原因で起きる障害で、脳の一部の機能が上手く働かなくなり、人によって様々な症状が現れます。 たとえば、昨年映画になった『博士の愛した数式』の博士は交通事故が原因で「記憶」が困難になり、新しい情報が記憶されない・・・「僕の記憶は8時間しか持たない」というのがキーワードでした。私の親友はリハビリ病院でSTをしているのですが、彼女が担当していた一人に、プールの事故で一命を取り留めたものの脳に障害が残り「性格が変わってしまった」という子がいます。事故前はおと…

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今日は、面白くもなんともない話です。

もしかすると、学習障害のことや知能検査のことを多少勉強された方なら、前々回と前回の話をお読みになって、「認知処理過程」の話だな・・・とピンときたかもしれません。 WISC-ⅢやK-ABCという知能検査で出てくる「言語性と動作性」「継次処理と同時処理」あるいは「聴覚的な処理」「視覚的な処理」などなどの専門用語・・・・ 要するに(かなり大雑把に言うと)、いろいろな課題の得意不得意を見て、 「ことばで理解したり考えたりする⇔絵や図などで理解したり考えたりする」 「複数の情報をひとつずつ順番に処理していく⇔複数の情報を一度にまとめて処理する」(部分から全体へ⇔全体から部分へ 道順型⇔地図型) 「耳から入ってくる情報に強い⇔目から入ってくる情報に強い」 などなどと、その人の傾向を把握しようというのが、こうしたテストの目的です。(実際は2分類だけでなく、もっと細かくも分析します) とは言っても、道順型のBさんと地図型の私。それぞれが知能検査を受けたら、Bさんは言語性優位、私は動作性優位、あるいはBさんは継次処理型、私は動作処理型と、くっきりきれいに結果が出るかというと、そんな単純な話でもないと思います。とらわれすぎず、あくまでも「参考」であるという心積もりでいた方がいいのかもしれません。 ここで強調しておきたいことがあります。 特別支援教育の対象となっている子どもたちの中には、病院や相談機関で、あるいは情緒障害児学級などで、知能検査を受けている場合がよくありますよね。WISC-ⅢとかK-AB…

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