2007年07月29日

アテンション・プリ~ズ!⑤~最終回は、え?そんなこと?

「注意」機能編、とりあえずいったん最終回です。

これまでの話は↓↓↓こちらから

アテンション・プリ~ズ!①

アテンション・プリ~ズ!②

アテンション・プリ~ズ!③

アテンション・プリ~ズ!④

私は普段、個別学習指導をやっているので、例えば前回話題に出てきたAくんやBさんに対して「1コマの授業を15分ずつ区切って課題に飽きさせないようにする」「10問やって答え合わせとするところを、2,3問ずつ細切れに答えあわせタイムを作る」とか、「最初に5分間の<おしゃべりタイム>を確保して、頭の中をスッキリさせてから勉強に取り掛からせる」などなど、相手を見てあの手この手で対応しているわけですが

「そんなこと一人一人の子どもにやれるわけないでしょー」

というのが、学校の先生の大方のご意見、・・・・ごもっともです。

巡回相談に行っても、

「こちとら40人相手にやってますんで」的なバリアを張られていたりすると

まずは、それを解除してもらうためにどう話を進めていくかが、なかなか難しいなぁと思う日々です。

で、ここまで4回にわたって、本当は一番求められているであろう「具体的な方法」には敢えて一切触れず、「注意機能がうまく働かないとはどういうことか」を理解してもらうための話にくどくどと時間を割いてきたのは、なぜかといいますと

「具体的な方法」に正解はないからです。大切なのは、

その子が「なぜ、できないのか」「何に困っているのか」を知ること。

そこを手がかりに頭を柔軟に働かせれば、日々の授業や学習活動の中でどんな支援ができるかは個々に違うし、可能性は無限にあるかもしれない。

だから、ここでご紹介するのも、ホンのちょっとした一例に過ぎません。

が、たとえば、ある学校のある教室に入って、黒板にこんなことが書かれているのを見ると、「あ、なるほどー」と私は一人うなってしまったりします。

教科書p.14 ③・④ をやる

   ↓

先生に見せる

   ↓

教科書p.15 ⑤・⑥ をやる

   ↓

先生に見せる

   ↓

プリントをやる

   ↓

できた人 読書

黒板には他に何も書かれていません。ただ、これだけ。

注意機能に問題を抱える子や発達障害の子を意識して書かれていたのか、確かめたわけではないので、わかりません。

その先生の日常的な授業のスタイルなのかもしれませんし、たまたま、その日のその時間そういうやり方をしていただけなのかもしれません。

でも私は、その前に別の教室で「せんせ~、どこやるんですか~」と手をあげて「だーかーらー、今言ったでしょ!」と一喝されていたた子や、他の子たちがせっせこ課題に取り組んでいるときにボケ~ッとしていた子を見た後だったので、あぁ、あの子たちもこの指示が黒板に書いてあったら、怒られたり取り残されたりしないかもしれないなぁ、と思ったわけです。

「40人もいるのだから、一人ひとりへの配慮なんかできない」というよりも、むしろ

「40人もいるのだから、配慮が必要」なのですね。

だって、40人を前に先生が指示を出したとき、果たして全員がそれを聞き漏らさず、しっかり理解できるものかどうか・・・・?

注意機能に弱さを抱える子は、先生の話に意識のチャンネルを合わせられていないかもしれません。話を聞いているように見えて、実は頭の中は他のことで大忙しかもしれません。

発達障害の子に限らず、誰だって注意機能が低下している場合は有り得ます。たとえば、寝不足だったり、体調が悪かったり、暑かったり・・・・。何か心配事を抱えているとか逆に何かすごく楽しみなことを控えている子たちも、注意を先生の話に集中させることは困難なはず。

それでハッと我に帰る。「えっと、いま何するんだっけ?」

こっそり隣の子に聞いたり、周りの様子から判断できる子もいる一方で、とっさに「どこやるんですか~」とタイミング悪く手をあげてしまう子もいて・・・・(^ ^;)

そんなとき、今何をすべきか、さっき先生は何を指示したのか、黒板を見れば一目で分かるようになっていたら・・・・そういう何気ないことが

「どこやるんですか~」「今言ったでしょっ!」という不毛なやり取りを避けられ、誰かに聞くこともできずボーっとしている子にも手がかりを与えられているんだなぁ、

しかも、一斉指示→一斉に答え合わせ、ではなく、個々のペースで取り組める上に、全員のチェックができる・・・合理的だなぁ、

と感心させられたのでした。

ということで、注意機能まだまだ書くべきことはたくさんあるのですが、ひとまずポイントをまとめておきましょう。

刺激を減らすなどして気の散りにくい環境を作る。(教室環境に限らず、必要なものだけ出させるとか、使い終わったものを出しっぱなしにしないとか、ちょっとしたことも含めてなんですけど)

注意を向けることや注意を持続することの苦手さを前提とした配慮をする。(上記の例もそうですが、「はい、今から大事なコト言うよ」と注目させるとか、飽きさせないメリハリの聞いた授業の組み立てとか、要するに当たり前のことなんですけど)

過去記事にも宝の山がいっぱい(・・・・かも?)

先生が明日からできること。には収録できなかったP先生の実践(ココから6回にわたって連載)なども、きっと参考になると思いますので、よろしければ読み返してみてくださいね。

学習支援、「注意」機能に続いて、次のテーマは「記憶」です。これまた難題です。。。

今回の記事は、うっかり保存し忘れ、イチから書き直しました。苦労に報いてくださる方は、応援クリックにほんブログ村 教育ブログへよろしくお願いします。

※参考文献 "The Mind That's Mine"  Dr.Mel Levine

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posted by はるえもん at 01:19| Comment(9) | TrackBack(0) | (旧)学習面の支援(注意編) | 更新情報をチェックする

2007年07月23日

アテンション・プリ~ズ!④~頭の中も、大忙し。

「注意」機能編第4弾です。

これまでの話は↓↓↓こちらから

アテンション・プリ~ズ!①

アテンション・プリ~ズ!②

アテンション・プリ~ズ!③

まずは環境の見直しから、という話を前回にしましたが

いくら刺激を減らしても、それだけで解決するかというと、決してそんなことはなく・・・・

そこが実際は難しいところです。

たとえば、私が個別指導で教えているAくん。

年齢を重ねるごとに、だいぶ落ち着いてきたし、集中できる時間も長くなりましたが、

それでも調子や条件の悪い日は、なかなか「注意」をうまくコントロールできなくなります。

そういう時は、机の上に筆記用具と課題だけにしても、「ねー先生、知ってる? あのねぇ・・・」「そーいえばさぁ、・・・・」と、おしゃべりがとまらない。

あぁ、そうね。目の前に座っている先生(私)自体が、刺激になっちゃってるのねん。

そこで私、「○番と○番の問題ができたら、見せてね」とAくんに指示して席を外します。

そして少し離れた場所で、しばらくAくんを観察・・・。

算数の問題に取り組むかに見えたのは、ホンのつかの間。1分後には、右手の鉛筆と左の鉛筆が何やら戦いごっこをはじめていたり、消しゴムをいじっているうちに跡形もなくボロボロになってしまったり、しまいには自分の爪の先とかかさぶたとかまで気になっちゃうみたい・・・・。

あるいは、Bさん。

彼女も、調子がいいときと悪いときの差が、大きい。

Bさんの場合、同じように少し離れて観察していると、一見課題に向かっているように見えるのです。でも、待てど暮らせど「できた」の声がかからない。近づいて覗き込むと、

えぇーっ、一個も解いてないじゃ~ん?!

そう、彼女はポーズだけは、鉛筆を握って問題に向かってはいるものの、頭の中は他のことにチャンネルが合ってしまっているのですね。

皆さんの学校にも、いるのではないでしょうか?

キョロキョロ気の散らない教室づくりに配慮しているにもかかわらず

今すべきことに注意を向けられず、あるいは維持できず、ゴソゴソ、そわそわ、モゾモゾ・・・・のAくんのような子。

一見聞いているようで、やろうとしているようで、実は頭の中は他のことで大忙しのBさんのような子。

ここで「やる気のなさ」ととらえるのではなく、

う~む、これこそが彼らの抱える「注意」機能の弱さなのね・・・・と理解することが、支援の第一歩なのだと思います。

「さっき言ったでしょ!」「集中しなさい!」「何をボーっとしてるの!」と、頭ごなしに叱るのでは、彼らの自己有能感を育めないし、イライラしてしまうこちらの精神状態にもよろしくない。

そこで私も、あの手この手で工夫を凝らすわけですが、それを今ココに書いても「40人学級でそんなことできるか!」と言われてしまいそう(笑) 

でも、いろんな学校でいろんな先生の授業をのぞかせていただいていると、「なるほど、そういうやり方もあるのね~」と思える実践にも出会います。次回に少しご紹介しますね。

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2007年07月16日

アテンション・プリ~ズ!③ ~子どもを叱る前に、まずは環境を見直そう!

「注意」機能編第3弾です。初めてお越しの方は、こちら→(アテンション・プリ~ズ!①・アテンション・プリ~ズ!②)を先に読んでいただけると、話がつながります。

さて、先ほど大阪から帰ってきたところです。特別支援教育士のセミナーを受けてきました。

今回会場にスペース96さんが来ていて、・・・・となると気になって仕方ないのが、自分の本の売れ行き。休憩時間のたびに、書籍販売コーナーをウロウロする私。昨日は、いちばんスミッコのスミッコに置かれていた我が子ならぬ我が本、これじゃぁ朝日掲載の効力も働きませんて。。。(涙) 今日は昨日よりは多少目立つ場所に並んでいたから、1冊や2冊は売れたんじゃないかと期待してるんですが、いやはや、しかし・・・・

※ピンポンパンポン♪ 今日は本の宣伝ではありません。正真正銘、学習支援の話です。 

スペース96さんの書籍販売コーナー、何百、いやもしかしたら何千単位の本が並べられてるんですよ! あの中からこの本

先生が明日からできること。

を見つけるって・・・・そりゃ私は著者ですから、我が子ならぬ我が本の見慣れた表紙、すぐに発見しましたが、何も知らないふつうの人に、あれだけの本の洪水の中この1冊を手に取ってもらうって、至難の業ですよ?  

だから間違いなく、あの場よりこのサイトの方が、この本に関しては売り上げは多いはず。なぜなら「この本に注目してもらう」には、何千冊という本の中の1冊としてよりも、ここで紹介する方がうんと効果が高いから。

でも、スペース96さんは、「この本を売る」のが商売ではありません。「1冊でも多くの本を売る」のが本屋の仕事です。ですから、たくさん品数をそろえることは必須。あの何百、何千冊の本を前にしてウロウロ見てまわりながら、私たちは「あっ、この本もいいな。あっ、こんな本もあるんだ。あっ、ついでにこれも買っちゃおう・・・・」と目移りし、あれもこれも手にとってまとめ買いしていく・・・・それが本屋のねらいなわけです。

※ピンポンパンポン♪ くりかえします。今日は学習支援の話です。

では、ここで考えてみてください。

教室という、学習の場で、子どもたちが授業に注目しようと思ったら、どのような環境が望ましいでしょう?

先生が明日からできること。

こちらのp.15~17「黒板によけいなものを貼らない。」「教室から『妖怪シゲキラー』を退治せよ!の項でも述べましたが、

※ピンポンパンポン♪ くどいようですが、本の宣伝ではなく学習支援・・・・

その時間の授業に関係ないものを子どもの視界に散りばめておくのは、子どもたちに「注意」を向けさせる際、大きな負担をかけていることになります。ましてや、「注意」に弱さを抱えている子には、なおさらです。

教室環境にも流行があるのか、よく見かけるのが黒板の上にクレヨンで描かれたクラス全員の似顔絵。1年生の教室で時々見る、黒板の周りを囲んで飾っている色紙のお花(入学式はとっくに終わってるんですけど?)。なぜか教室前方に物干しロープのように針金を渡し、洗濯ばさみで吊るした画用紙(新出漢字などが書かれている)が運動会の万国旗よろしくぶら下がっている教室も複数出会いました。

「注意」機能弱めの私、目移りしまくりです。

先生のお気持ちも分かるんですが、せめて教室後方にするのがよろしいかと。

ということで、「注意」対策はまず落ち着いた学習環境づくりが第一歩。

他にはどんな配慮ができるでしょう? また次回に。

先生方のアイデアも遠慮なく書き込んでくださいね。

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※参考文献 "The Mind That's Mine"  Dr.Mel Levine

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